【書評】ほっしー『うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた』【うつマッピング】
うつ持ちのよっこいです。
今回は書籍レビューをします。
今、メンタルヘルス界隈で話題の本『うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた』(うつマッピング)です。
本当によくできています。名著です。
いったいどんな本なのか、説明していきます。
「#うつマッピング」とは?
うつ病は、
- 寝ているだけ
- 薬を飲むだけ
では治りません。
散歩する、趣味を楽しむなど、少しずつでも行動することが必要です。
著者のほっしーさんがうつ病を治すために実際に行ってきたものを、効果と難易度でマッピングして紹介したものが「うつマッピング」です。
うつを治すために、いろんなことを試してきたのでマッピングしてみた。 pic.twitter.com/UecVW3hGBz
— ほっしー@メンタルハッカー (@HossyMentalHack) 2018年4月16日
このツイートが24000リツイートされ、出版に至りました。すごいですねぇ…
うつ持ちの人が読みやすいよう、工夫がされている
メンタルを患うと、文字が読みづらくなります。
アリの行列か金魚のフンにしか見えなくなり、内容も全く頭に入りません。
なので、視覚的に見やすいよう
- 句読点が多め
- 一文が短い
- 段落ごとに行間を空ける
- 太字、大文字での強調
などの工夫がされています。うつ当事者ならではの視点だと言えます。(当ブログもこれらの点を意識しています)
読みたいところだけつまみ読みができ、気軽にサクサク読むことができます。
文献の明示で信憑性が高い
引用箇所が多いです。そして引用文とはっきり分かるよう、字体を変えて波線で区別しています。
うつ持ちの人の体験談やエッセイとなると、患者の主観が強くなりがちです。うつの改善に効果的なことには個人差があるので、参考程度にしかなりません。
ですが、本書は体験談といっても論文や専門書などの文献やデータをもとに書かれており、”医師が「ん?」と思うものは皆無といっていいくらい”*1だそう。
「急性期」「回復期」の説明がない…?
本書には「回復期」という言葉が何度か出てきます。ただ、「回復期」という用語についての説明がない点が気になりました。(見落としてたらごめんなさい)
これについては、ほっしーさんのブログ「メンタルハック」に説明があります。
めっちゃ簡単に言うと…
- 急性期 → 寝たきり
- 回復期 → 少し余裕ができる
こんな感じ。
ほっしーさんのブログは回復期の人向けと、どこかの記事に書かれていました(ような記憶があります。記述がなければごめんなさい)。
それもあってか、当事者は知っているものとして、説明は省いているのかもしれません。
うつ病じゃない人(例えば、家族など)も、この本を手に取ることはあるでしょう。なので、1、2ページ程度は病状の経過の説明があったほうがよかったと思いました。
とはいえ、うつ病患者はもちろん、
- 患者の周りの人
- うつ病人のリアルを知りたい人
にもオススメです。