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障害特性書?合理的配慮? 知っておきたい「オープン就労」

会社見学にて

 

先日、就労移行支援施設の利用者3人と職員で会社見学に行ってきました。

大手不動産の子会社の障害者雇用です。

 

僕は手ぶらで行きましたが(鞄は持った)、他の利用者は選考に進むつもりで履歴書と障害特性書を準備してきていました。

 

全体の会社説明のあと、履歴書を書いてきた2人に個別面接が行われました。*1

その面接の様子を聞くことができたのですが、担当者がこんなことを話していたそうです。

 

「(障害)特性書がなかったら、やっていけると思った」

「そう見えない」

 

「そう見えない」とは、障害や疾患があるように見えないという意味です。 

利用者(面接者)・担当者ともにミスマッチを感じ、選考を辞退したそうです。

 

このエピソードから、今回は障害オープン雇用についての話をします。

 

 

履歴書・職務経歴書と障害特性書が必要

 

さきほどの話で「障害特性書」*2という言葉が出てきました。

どんな書類かというと

 

「私はこういう病気や障害があります。なのでこういう配慮をお願いします」

 

と企業の担当者に説明するためのもの。いわば私のトリセツです。

 

https://2.bp.blogspot.com/--yFH9_9OKGg/Wrx8nvd6akI/AAAAAAABLEI/ypzAmFB1y6kl8Cb08QVEDKIZJxPO_6G-wCLcBGAs/s400/syuukatsu_rirekisyo_entrysheet_blank_naname.png

企業は障害を持った人に対して(手帳の有無を問わず)、合理的配慮をする義務があります。

適切な配慮を受けるために、障害特性書で自分を説明することが障害オープン就労では必須となります。

 

※参考記事1「オープン就労とクローズド就労」
オープン・クローズで就労するメリットとデメリット|障害者就労移行支援のLITALICOワークス

※参考記事2「合理的配慮」
合理的配慮とは?障害のある人の権利と事業者の義務、職場における合理的配慮の具体例を紹介します | LITALICO仕事ナビ

 

採用担当者は障害への配慮なんて何も分からない

https://3.bp.blogspot.com/-VkaXRdIAzRU/WUdYwLM2msI/AAAAAAABE_E/Ob4pV2KxYAUvnkvQDhtTdY-lWeZWWbTkACLcBGAs/s400/kaisya_komaru_man.png

これは大前提です(中には理解のある人もいるとは思いますが…)。

 

「法定雇用率の関係*3精神障害者を雇わないといけなくなったので、よくわからんけど弊社も障害者雇用をはじめることにしました」

なんて企業も多いです。

会社側がそうはっきり言います。今回見学に行った会社もまさにそれ。採用担当者は「初めての障害者採用で、まだ正直手探りの状態です」とのことでした。

 

で、障害特性書を見て、採用はできないと判断したようですが・・・

ここで注意したいのは、「自分の弱点書いて見せたら落ちるだろ」と思わないことです。

 

入社前にミスマッチが判るのは、双方にとって幸せなこと。

入ってから「やっぱり合わない」で辞めてしまったら、会社には損失になり迷惑を掛ける。そして自分は失敗経験でただでさえ少ない自己肯定感がさらに失われることにもなりかねません。

 

「こういう障害特性があるなら、うちではやっていけない」という趣旨のことを担当者が話していたそうです。

全体の会社説明でもいいところ悪いところを包み隠さず喋るタイプの人だったので、嫌味でもなんでもなく、本音での考えだと思います。

 

「とりあえず障害者テキトーに雇って、端っこにでも座らせとけ」みたいな会社も多い中、採用に妥協をせず、はっきり言ってくれる会社は僕はありがたいと思います。

 

見えない特性だからこそ、具体的に伝えないといけない

https://1.bp.blogspot.com/-8MhhMydJwn8/WD_cTBFWuEI/AAAAAAABACo/iL57Ua2QbOk7ixZMbq7AgvDkfr_x0vfwACLcB/s400/medical_helpmark.png

 

入社前にこうしたミスマッチが判明するのも、文書による具体的な説明があってのことです。

「そう見えない」のも、言ってしまえば当然のこと。だからヘルプマークも生まれたのでしょう。

 

もし応募の時に特性書がなかったり、説明が不十分だとどうなるか?

 

せっかくオープン就労なのに、会社側はその人にどう対応していいか分からない。

その結果、健常者と同じ業務量や責任を与えてしまい、潰れてしまって休職や退職に追い込まれるなんてことに繋がります。

 

ではどう説明すればいいのでしょう。

 

「私はこういう病気や障害があります。なのでこういう配慮をお願いします」というふうに、具体的に助けてほしいことを書くのです。

 

過去記事にこんなことを書いていました。

「わかってよ」じゃ、分かるはずがないんですよね。

「こうしてほしい」がないと、支援する側もどうしようもない。

まあ何を言っても分からない、通じない人もいるんだけどね…

 

現在僕は就労移行支援に通い、障害者雇用で再就職する準備をしています。

障害者雇用では、引用文のように、仕事をする上で会社側に配慮してほしいことを具体的に説明する必要があります。

 

例えば

  • 「大きな音や雑音があると集中できないので、イヤーマフを使わせてください/静かな部屋で作業させてください」
  • 「障害特性で疲れやすいので、会議の後には15分ほど休憩時間を頂けると効率よく作業できます」
  • 「頭の中で整理するのが苦手なので、指示をされる時はメモを取る時間を頂き、復唱確認させてもらえると落ち着いて作業できます」

 

など。

 

他人から理解を得るには、まず自分の病状をしっかり理解する必要があるのです。

 

できているようで、意外とできていません。履歴書や障害特性書の添削を受けた時に気づかされました。

自分のことって案外分かっていないものです。

 

通っている就労移行支援の利用者で「自分が何が苦手か分からない」と漏らしている人がいました。

 

気持ちは分かります。というか僕もそうです。

疲れやすいとかどもるとか、それくらいしか思いつきません。

 

ですが、苦手なこと、配慮してほしいことが明確にならないままだと、就職してから自分を苦しめることになります。

 

特性書の書き方が分からなければ、ハローワークや就労支援の職員に聞いて添削を受けるといいでしょう。

僕もかなり赤ペン入れられました。苦笑

 

 

・・・ということで、今回は障害特性書の必要性について紹介しました。

履歴書よりも実は大事なんじゃないかなと、個人的には思っています。

 

適正な配慮を受けて長く働けるよう、しっかり準備するのが良さそうです。

 

今回のまとめ
  • 履歴書・経歴書・特性書
  • ミスマッチは入社前に
  • 「こうしてほしい」がないと支援側はどうしようもない

 あ~今通ってる就労移行支援の職員で雇ってくれないかなあ・・・

*1:選考前の体調等のヒアリング。面接というよりは面談に近い

*2:「特性紹介シート」など他にも呼び方があり、履歴書や職務経歴書に併記して書く場合もあります

*3:厚生労働省HP:障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わりました