ピアサポーターから考える情報発信者としての「目線」
先日、ピアサポート講座に行ってきました。
講座で聞いた話がすごく参考になったので、今回シェアしたいと思います。
ピアサポーターは対等な関係
精神疾患は、なった人でないとなかなか分からないもの。
なかなか周囲の理解を得られず、孤独になりがちです。
そこで、同じ病気の経験のある人が、精神疾患者の相談に乗ったり話を聞いたりするのがピアサポートと呼ばれるものです。
ピアサポートの「ピア」には、「仲間」の他に「対等な関係を持っている人たち」という意味が含まれています。
僕たち患者と病院の先生とでは、上下の関係になりやすい。
そこで、「上下ではない、対等な関係を大切にしよう」ということで注目されているのがピアサポーターというわけです。
医者は「メガネ」を掛けている
専門家は、それぞれの専門職のメガネを持っており、そのメガネを掛けて仕事をしています。
メガネって、掛けると
遠くが見えやすくなって、近くが見えにくくなる。もしくは、近くが見えやすくなって、遠くが見えにくくなる
といったことが起こります。
医者は「医学メガネ」を掛けて(=医学モデルで考えて)仕事しています。
その「医学メガネ」を掛けると、見えてくるものと見えにくくなるものがあるそうです。
疾患、症状、診断、患者、治療 など
生き方、人生、情緒、感情、人間的なつながり など
医学のメガネでは見えにくい、大切なところを感じとるのが、良いピアサポーターというわけなのです。
ピアサポーターは専門的なことは言わない
ピアサポーターは「体験の分かち合い」という、医者には中々ないメリットがあります。
他方、医学知識においては、プロである医者には全く及びません。
なので、相談に乗る時も、医学的なアドバイスには踏み込まず「自分はこうだったけど…」に留めるのが良いのです。
ツイッターやブログで発信するときは…
前置きが長かったですが、ここからが本題です。
僕たちは言わずもがな患者側の立場なわけで、ピアサポーターとしての立場を意識する必要がある、と考えます。
それはすなわち、フォロワーや読書さんと対等な立場・目線であるということ。
患者が医者目線で医療を語るのはナンセンス。
説得力もなければ悪印象で「お前何様やねん」とも言われかねない。
(この「上から目線」が先述の「上下の関係」にあたる)
それどころか根拠の無い誤った情報を広めてしまう危険性すらあります。
寛解できたなら(できてなくても)、その体験談というのはすごく貴重なもの。
自分にしかないストーリーであって、それは誰にもない一番の強みのはず。
体験を語り伝えていくことの大切さを学びました。
たかだか服を覚えて2年程度の僕がファッション指南をしたところで、10年20年飯を食べてるプロのバイヤーに適うはずがありません。
ちょろっと仕入れた知識でさも知ったふうに語るのは、ちょっと違いますよね。(してたけど…)
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要は、医者やカウンセラー気取りは受けないよってことです。
自戒を込めて…
うつ病が完全寛解したのは良いことだし間違いなく偉いよ。
— 錦山まる@マンガでわかるうつ病のリアル連載中 (@nishikiyamamaru) 2019年8月18日
ただ、だからって今はまだ治療を必要としている人に偉っそうに上からモノを言うのはダサいなって思う。
どれだけの生き地獄なのかを知っているぶんどうすれば優位に立てるのかが分かってるのかな。
やめようぜ。過去のお前が見たら泣くよ。